2004年3月22日(月)18:04

EU憲法合意の見込みが高まる

ブリュッセル(AP)

欧州連合の歴史的拡大をおよそ5週間後に控えて、計画中の欧州憲法をめぐる論争に解決の兆しが見えてきた。ポーランド政府は月曜日、ブリュッセルで開かれたEU外相会議の席で、交渉を「できるだけ早く」完了させる用意があることを強調した。ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相は「淡い楽観論」を表明した。憲法協議が動き始めたのは、とりわけスペインの政権交代以降である。

EUの将来の課題は、国際テロの危険も踏まえ、「効率的で民主的で強力なヨーロッパ」を要求する。これが実現できるのは憲法を備えた場合だけである。「私の印象では、いよいよ誰もがこのことを強く認識し始めた」、とフィッシャー外相は語った。

ポーランドのヴロジミエシュ・チモシェヴィッチ外相はこの日の朝、まずオーストリア、チェコ、スロヴェニア、スロヴァキア、ハンガリーの外相と協議を行った。会談後オーストリアのベニータ・フェレロヴァルトナー外相は、チモシェヴィッチ外相はドイツ、フランスとの妥協を模索する用意があると述べた。ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相は(明日)火曜日にワルシャワを訪問し、ポーランドのレシェク・ミレル首相と会談を行う予定である。

フランスのドミニク・ドヴィルパン外相は「今週末には私たちの進展状況が分かるだろう」と述べた。EU各国首脳は木曜日と金曜日にブリュッセルで首脳会議を開く。議長国アイルランドは憲法交渉の進展に関する報告書を提示する意向である。しかし外交筋はこの首脳会議で打開が図れるとは予測していない。

フランスと議長国アイルランドは、遅くとも6月のEU首脳会議までに憲法草案の合意に漕ぎつけたい意向である。アイルランドのバーティー・アハーン首相はフランスのジャック・シラク大統領との会談を終えて、私はそれまでに交渉を完了させるという固い意図を抱いていると述べた。

これまで憲法草案はスペインとポーランドの拒絶にあって合意に至らなかった。両国は他の国々が支持した、加盟国の人口に一層のウェイトを置く新たな閣僚理事会の票決規定を拒否した。しかしスペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ次期首相は選挙の勝利を受けて、これ以上合意を阻止する意向のないことを示唆している。

テロとの戦いに関して、EU外相理事会は先週の金曜日に各国内相が取りまとめた行動計画を承認した。この計画は今週のEU首脳会議で可決される予定である。この計画では、秘密情報機関を含む各国の安全担当部局間の情報交換を促進することなどが盛り込まれている。この目的のため、安全問題担当のEU調整委員が新たに任命される。

イギリスのジャック・ストロー外相の発言によれば、この総合計画は6月30日までに実行に移される。「私たちは行動しなくてはならない」と外相は語った。しかし外相は秘密情報機関の情報交換に関しては懐疑的な意見を表明した。イギリス政府はこの問題ではむしろ二国間の連絡を望むと外相は述べた。

コソヴォでの紛争再燃を受けて、EU各国外相はセルビア系住民とアルバニア系住民に対し、暴力を控えるよう呼びかけた。とりわけアルバニア系住民の指導部に対して、行動と声明によって暴力の終結を図るよう勧告した。「直ちにかつ決定的に」抗争を終結させ、責任者を法の裁きにかける必要がある、とEU各国外相は要求した。

原題:Aussichten auf EU-Verfassung gestiegen




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